兜町大学教授の教え 無料メルマガ No.251 (2023年9月18日)


「今は高値圏。さらに上がるかどうかは
 次の四半期決算次第」


 いつものように、市況を展望しますが、
その前に「9月30日に行う講演会」に
ついて告知をさせて下さい。


[0] 「講演会」の再告知です

 9月9日(土)に、早稲田大学の高田馬場
キャンパスの「早稲田大学エクステンション
センター」において、勉強会に登壇しました。

 「早稲田大学エクステンションセンター」
の中では最大規模の教室である、定員81名の
教室に90名様を収容する満員御礼になりまして、
とてもやりがいのある勉強会になりました。
 その勉強会は2コマ(3時間)だったの
ですが、まだまだお話しし足りないことが
たくさんあるような気がしています。

 そこで、9月30日(土)に開催する
「早稲田大学 補講」におきましては、
9月9日(土)の2コマだけではお話しきれ
なかった話題や、やや応用的な内容、そして、
「株式投資で負けないための秘訣」や
「今、注目の個別銘柄」についてお伝え
します。
 また、490戦してほとんど負けていない
「サカキ式デイトレ」についても、お話し
する予定です。その手法は、デイトレでは
ない通常の投資にも充分に適用できるもの
であると考えています。


予定内容:
1.市況展望
2.21世紀の新たなロールモデルである
  「FIRA 60」の考え方と達成の仕方・
  達成後の生き方について
3.「パッシブ投資」の最新データについて
4.今、狙える個別銘柄の検討
5.サカキ式デイトレの手法と要点
6.質疑応答(時間があれば。)

 詳細は、当サイトの「講習会受付」のページ

http://www.prof-sakaki.com/zemi/lecture/lecture_230930.html

をご参照下さい。

 60名様の定員はほぼ満席になりましたが、
あと若干名様のお申し込みを受け付けて
います。
 お申し込みは先着順で、残席数は僅かです。

 お申し込みは、メールにて!

 メールのタイトルを「9月30日 受講希望」
としていただいて、

・お名前(ふりがなも付記して下さい)
・ご年齢
・ご住所
・Prof. SAKAKI塾の塾生様か否か

を明記の上、sakaki@prof-sakaki.comまで
どうぞご一報下さい。折り返し、受付確認
のメールを差し上げます。


[1]  市況展望 (執筆日時:9月18日 14時)

(1) 過去1ヵ月間の日経平均株価の推移

 まず、8月15日以降の1ヵ月間の日経平均
株価の推移を辿ってみます。

 8月18日に付いた「31,275円」が直近の
安値になり、9月11日にも若干の調整が
入りましたが、基調としては右肩上がりに
なりました。
 8月14日配信のこのメルマガで、

「当面の下値は30,000円前後ではないか。」
「一方で、過去2ヵ月間の日経平均株価が
31,800円前後で踏みとどまっていることや、
資産インフレの下支えを考慮に入れますと、
『三角保ち合いの下放れ』さえなければ、
31,800円前後が下値になるということも
考えられます。
 そして、お盆明け以降は、緩やかに上昇
局面入りすることも考えられますので、
過度な悲観は禁物です。」

と述べました。結果的には、「30,000円
前後」と「31,800円前後」の間の31,800円
寄りの水準(31,275円)で下げ止まって、
お盆明け以降は、緩やかに上昇局面入りを
しましたので、概ね想定通りの展開となり
ました。


(2) 日経平均株価の現状と今後

 現在の日経平均株価の水準は、明らかに
高値圏です。異常な高さ(バブル)では
ないですが、高値圏であることは間違い
ないです。
 その根拠は、次の各種の指標です。

・9月15日の日経平均株価の高値 −− 33,634円
  年初来高値まで、あと「138円 (0.42%)

・PERの値 −− 16.09倍
  16.0倍を超えるのは、コロナッショック
  以来初めて。

・PBRの値 −− 1.38倍
  1.38倍は、6月19日(1.37倍)、7月3日
  (1.39倍)に並ぶ高さ。これらは両日とも
  年初来高値を付けた日です。この水準は、
  2018年1月以来の高水準です。

・日足のRSIの値 −− 63.02
・日足のストキャスティクスの値 −− 73.77
・週足のRSIの値 −− 62.14
・週足のストキャスティクスの値 −− 75.90
  オシレータの値は、いずれも高水準。
  最高水準ではないが、かなりの高値
  であることはたしかです。

 もちろん、現状よりも高くなる可能性は
あります。なにしろ、日本経済はインフレ
の真っ只中ですから。

 そして、現在の株高は、ベースにインフレ
圧力がある中で、目先のところで「配当の
権利取り」の買いに支えられたものである
と考えられます。
 安定高配当企業の株価は、軒並み高値を
付けています。

 また、かねてより、東証による「PBR11倍
割れ」への対策強化も株価の下支えには
なっています。

 そして、この「配当の権利取り」の買いに
よる株高は、週明け〜29日までには一服します。
「配当の権利付き最終日」が9月29日だから
です。
 これまでの経験則では、配当の権利付き
最終日の9月29日まで高値を追う銘柄も
ありますが、その少し手前の来週中に天井
を付ける銘柄もありますので、ここからは
注意が必要です。
 配当利回りに魅了されてしまい、高値で
買ってしまうことのないようにしなければ
なりません。

 「配当の権利取り狙い」で高くなった
銘柄のうちの多くは、「配当の権利落ち」
を超えると、半期の配当額以上に株価が
下がる銘柄が散見されますので、「配当の
権利取り」に引っ張られてはいけません。
 安定高配当銘柄に関しましては、むしろ、
このような高い時には、「売りはあっても、
買いはなし」だと考えています。

 そして、「配当の権利付き」の後には、
10月下旬から11月中旬に向けての「第2
四半期決算発表」に市場の注目がシフト
します。

 日経平均株価が、今年の6月19日と
7月3日に付いた高値の「33,700円台」
を抜くかどうかに注目が集まります。
 目先のところでは、週明け〜29日まで
は高値圏で推移しそうですが、その後
には一旦、一定の調整が入りそうです。
週明け〜29日までに「33,700円台」の
高値を付ければ、それがトリプルトップ
(三尊)になります。

 その水準から、調整に入った場合、
それが深いものになるか、浅いものに
で終わるかは、10月下旬からの「第2
四半期決算発表」次第でしょう。

 現時点では、日経平均のEPSの値は
「2,084円」です。高水準は維持しています
が、最高値が「2,239円」(2022年11月14日)
であったことや、今年の6月21日にも
「2,200円」を付けていたことを考慮に
入れますと、現時点は、企業業績に若干の
陰りがみえます。

 この企業業績(日経平均のEPSの値)が
「第2四半期決算発表」で上方にシフト
すれば、日経平均株価は年初来高値を
付けにいくことになるでしょうが、企業
業績が伸び悩めば、日経平均株価は今が
高値圏(「三尊」の成立)となるでしょう。

 企業業績が伸びるか伸び悩むかは、
神のみぞ知るですが、少なくとも、
インフレ対抗力のある企業、すなわち、
値上げをしても売上が落ちない企業の
業績は好調になりますので、そういった
企業の株価は上昇することになるでしょう。

 現在のような上昇基調の中では、
「年末には35,000円超えも」
という声をよく耳にしますが、それが
現実のものになるか、期待だけに終わる
かは、「企業業績次第」というのが、
鉄板のセオリーです。
 ですから、現時点では慎重な姿勢を
崩さず、市場を静観し、企業業績が
好調であれば、強気に転換しても充分に
間に合うと思います。
 11月中旬には企業業績が出揃います
ので、それまでは慎重に様子を観た方が
無難です。


<市況展望は以上です。>


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