「日足の右肩下がりのトレンドが、いつ転換するか」
いつものように、市況を展望します。
(執筆日時は、12月15日 23時。)
[1] 過去1ヵ月間の日経平均株価の推移
まず、11月15日から12月15日までの
1ヵ月間の日経平均株価の推移を辿って
みます。
先月のこのメルマガ(11月15日配信)の
タイトルを「12月上旬に向けて、株高」として、
日銀政策決定会合前の12月上旬までは株高に
なるであろうと予想しました。
その11月15日を含めた4営業日は株高基調
になり、11月20日には「33,853円」の年初来
高値を付けました。
しかしながら、上昇の勢いはそこで止まり、
12月4日までは、日経平均株価は高値圏で推移
したものの、12月6日に日銀の植田総裁が、
「マイナス金利の解除もありうる」といった
発言をしたことがキッカケとなって、為替市場
で円高が進行して、上昇に歯止めがかかりました。
その円高進行と利上げ懸念のせいで、12月の
7日と8日は日経平均株価が急落しました。
先月のこのメルマガの[5]で、
「ここでの予想どおりに日経平均株価が
これから上昇基調になった場合でも、年初来
高値の「33,700円前後」を付ける(または、
それを超える)辺りからは、いつ下落に転じ
てもおかしくはないので、そのように心づもり
をしておかなければなりません。」
と書きました。それからたった4営業日後に
「33,700円前後」をを超える水準に達して、
12月7日には下落に転じたというわけです。
そして、12月8日に「32,205円」まで
下がったところで目先のところでは下げ
止まって、反発しましたが、日足ベースでは
「右肩下がり」の株価推移が続いています。
[2] 日経平均株価に影響を与える要因
今後の日経平均株価に影響を与える要因
については、目先のところでは次のような
ものが挙げられます。
マイナスの影響を与える要因とプラスの
影響を与える要因に分けてまとめます。
(1) マイナスの影響を与える要因
<1-1> 円高
12月6日の「植田発言」を受けて円高が
急進しました。
2004年以来、日本の株式市場では、
「円高 = 株安」と認識されているため、
日経平均株価の頭が抑えられています。
ただし、「円高 = 株安」とはいっても、
初期の円高(すなわち、円安水準から円高
へ方向転換したばかりの時期)は、外国人
投資家にはプラスの効果をもたらします。
円安の時に買った日本株は、為替の力
だけでも、ドル建てではメリットになる
ので、外国人にとっては、
「為替市場で円高が進むのであれば、
日本株は、まだ当面は買いだ!」
となるのです。
ですので、初期の円高は、依然として
株価を上向かせる効果があるのですが、
日本人の投資家は、「円高 = 株安」
という認識が先行してしまうのが実態です。
<1-2> 政局不安
「パー券問題」による政局不安が広がって
います。株式市場は政局不安を嫌いますので、
これによっても、日経平均株価の頭が抑え
られています。
政局不安が日経平均株価に対してマイナス
に働く理由は、市場の認識が「政経不可分」
であり、政局不安定になると、経済政策の
運営にも支障を来すと市場が考えるからです。
(「政経不可分」とは、「政治と経済は切っても
切れない関係にある」という考え方を意味します。)
(2) プラスの影響を与える要因
<2-1>NYダウと日本の企業業績
NYダウは史上最高値を更新中ですし、
日経平均採用銘柄の企業業績も史上最高の
水準ですので、上の(1)の要因がなければ、
日経平均株価も年初来高値をどんどん更新
していてもおかしくはない環境は整って
います。
<2-2> 選挙相場への期待
上の<1-2>で「政局不安」について言及
しました。このこと自体は日経平均株価
に対しては悪材料なのですが、このこと
によって、早期解散となれば、一転して
上昇相場になる可能性を包摂しています。
[3] 今後の日経平均株価の行方
上の[2]の(1)で述べた「日経平均
株価にマイナスの影響を与える要因」に、
ある程度の目処がたてば、日経平均株価
は上昇に転じると考えられます。
なぜならば、[2]の(2)で述べた「日経
平均株価にプラスの影響を与える要因」が
厳然として存在しているからです。
しかしながら、目先のところでは、
政局不安と円高が相場の重しとなって
います。
日経平均株価の週足チャートでは
わかりにくいのですが、日足チャートでは
「右肩下がり」の株価推移が鮮明になります。
この「右肩下がりのトレンドが、いつ
転換するのか」が最大の関心事です。
岸田総理が政権にしがみついている間は
日経平均株価の頭を抑える展開、すなわち、
「右肩下がりのトレンド」が持続すると
いうことになるでしょう。
また、19日に日銀の政策決定会合が
終わるまでは、模様眺めになる可能性が
高そうです。
日米の金利差の縮小傾向は当分の間
意識されるでしょうから、円高傾向は
まだ持続しそうですが、政局不安に
一定の目処がたって、日銀の政策決定会合
が終われば、「右肩下がりのトレンド」が
転換する可能性があります。
<市況展望は以上です。>
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