「当面はボックス圏相場」
6月15日(土)と翌16日(日)に、東京・渋谷で
「50代からのトレーダー入門 出版記念講演会」
を開催いたしますので、今月のメルマガは
いつもよりも1週間ほど早く配信いたします。
[1] 時間は加速する
昨日、6月8日は私の63回目の誕生日でした。
人生において時間が経つのはとても早い(速い)
と痛感します。
子供の時の「夏休み」に似ています。夏休み
が始まる時には長く感じるのに、終わって
しまうと、とても早い(速い)。
人生の時間の経ち方は、まさにそんな感じ
です。
40年前に大学を卒業して、20年前に青山学院
大学に奉職し始めました。
40年前に大学を卒業してから青山学院大学に
着任するまでの「前半の20年」は、比較的長く
感じました。
大学院に6年行き、名大の助手を2年やり、
1年就職浪人をして、海外に2年半。浜松短大
に1年奉職して、東北大で7年。
変化に富んだ20年だったせいでしょう。この
「前半の20年」は、比較的長く感じましたし、
そういえば、生まれてから大学を出るまでの
20年間は、もっと長かったような気がします。
しかし、青学着任からの20年間は、青学17年
と「FIRA 60」後の3年なので、、本当にアッと
言う間でした。
やはり、人生の時間は加速するのです。
このままいきますと、残りの20年(しかも、
それだけあるかどうかもわかりません)は、
めちゃくちゃ「速い」と覚悟しています。
「メメント・モリ」は、否応なしです。
残りの「短い人生」を、できるだけ楽しく
謳歌したいと思っています。
皆さまの人生の時間も「加速」するので、
要注意です。(老婆心ながら:苦笑。)
[2] 出版記念講演会の再告知をさせて下さい
今月の15日と16日に「出版記念講演会」を
開催します。
この「出版記念講演会」では、5月17日に
発売になった、拙著の最新刊
「50代からのトレーダー入門」
の内容はもちろんのこと、著書だけではお伝え
しきれなかった話題や、著書には書けなかった
「ここだけの話」、そして、3月下旬に原稿を
書き終えてから6月中旬までの最新の情報、
さらには「今、注目の個別銘柄」の検討など、
盛りだくさんの内容を予定しています。
詳細は、当サイトの「講習会受付」のページ
http://www.prof-sakaki.com/zemi/lecture/lecture_240615.html
をご参照下さい。
このメールでも、場所と日程と料金等の
要点部分をお知らせいたします。
<以下は、開催告知の要点です>
場所:東京・渋谷
TKP渋谷カンファレンスセンター
会場への交通アクセスの詳細は、
こちら↓をクリックしてご参照下さい。
https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/gc-shibuya/access/
日程:土曜日か日曜日のいずれか1日にご参加下さい。
<土曜日開催> 6月15日(土)13時20分〜15時30分
(途中に10分程度の休憩1回を含む。)
部屋は、4階の「4E」です。
定員は「33名様」で、満席になり次第、受付を終了
します。
<日曜日開催> 6月16日(日)13時20分〜15時30分
(途中に10分程度の休憩1回を含む。)
部屋は、4階の「4B」です。
定員は「53名様」で、満席になり次第、受付を終了
します。
予定内容:
1.市況展望
2.明るい将来のための株式投資
3.「安定高配当銘柄への投資」について
4.長期的に相場の柱になる「インド関連銘柄」
5.今、狙える個別銘柄の検討
6.サカキ式デイトレの手法と要点
料金:
基本料金 ----- 25,000円
準塾生割引 --- 20,000円
本塾生割引 --- 15,000円
VIP塾生割引 ---10,000円
<開催告知の要点は以上です。>
お申し込みは、6月12日23時59分までに
メールにて!
メールのタイトルを
「出版記念講演会 受講希望」
としていただいて、
・お名前(ふりがなも付記して下さい)
・ご年齢
・ご住所
・Prof. SAKAKI塾の塾生様か否か
を明記の上、sakaki@prof-sakaki.comまで
どうぞご一報下さい。折り返し、受付確認
のメールを差し上げます。
[1] 市況展望(執筆日時:6月8日 27時)
(1) 過去1ヵ月を振り返ってみます。
5月16日の始値が「38,645円」で、20日に
「39,437円」の高値を付けて反落し、30日に
「37,617円」の安値を付けて、少し戻って
6月7日に「38,683円」で引けています。
上下の幅が「1,820円(率にして4.8%)」で、
始値と終値の差が「38円」しかない、小幅な
株価推移でした。
週足チャートで見てみますと、5月30日の
安値(37,617円)は、4月第3週に付いた直近
の最安値(36,733円)と翌週の4月第4週に
付いた安値(37,052円)を割っていませんので、
力強さには欠けますが、若干の右肩上がりの
トレンドを維持しています。
(2) 現時点のテクニカル指標
ここで特筆すべきは、週足チャートにおける
「RSIの値の低さ」です。週足のRSIの
値は「44.16」で、昨年10月の第4週以来の
低さです。そして、昨年10月の第4週という
のは、日経平均株価の安値が「30,551円」で、
現在の相場の転換点の時です。
ただし、この「昨年10月第4週」の時は、
同じく昨年10月第1週の安値(30,487円)から
の「二番底」ですので、テクニカル的な
(=チャート的な)位置づけは多少異なり
ます。
また、「昨年10月第4週」の時には、
さすがに「二番底」だけのことはあって、
ストキャスティクスの値も「22.56」でした
ので、その点でも現在と異なります。
現在のストキャスティクスの値は「58.62」
ですので、中途半端な水準です。
(3) 現時点のファンダメンタルズ指標
6月7日の終値ベースでの日経平均株価
のPERの値・EPSの値とPBRの値・
BPSの値、そしてROEの値を見ておき
ます。
・PERの値 16.40倍
・EPSの値 2,359円
・PBRの値 1.47倍
・BPSの値 26,316円
・ROEの値 9.0%
それぞれについて簡潔にコメントします。
・PERの値とEPSの値について
4月1日からの直近2ヶ月と1週間の
PERの値の平均値は「16.74倍」なので、
現在の「16.40倍」というのは、「妥当か
少し低い」といった位置づけです。
そして、EPSの値の「2,359円」という
のは、今年の3月4日に付いた「2,387円」
という史上最高値に近い水準ですから、
非常に高い水準を維持しています。
また、その後の5月9日に、EPSの値
は「2,182円」まで下がっていますので、
決算発表シーズンの後半で、企業業績は
「かなり盛り返した」という状況です。
・PBRの値とBPSの値について
PBRの値の「1.47倍」というのは、
決して割安な水準ではありませんが、
これも4月1日からの直近2ヶ月と1週間
の平均値を見てみますと、「1.50倍」なので、
その見方からは、現在の「1.47倍」という
のは、PERの値と同じく、「妥当か少し
低い」といった位置づけです。
BPSの値(26,316円)は、「まさかの
暴落時における底値」を意味します。
・ROEの値について
ROEの値の「9.0%」というのは、
「概ね良好である」と評価できます。
<結論>
企業業績は概ね良好ですので、
よほど想定外のことが勃発しない限り、
大きな下落はなさそうです。
(3) 世界の経済情勢から考える
そして、世界の経済情勢を見てみますと、
カナダ中銀とECBは利下げに舵を切り
ました。
アメリカでも、景気後退の足音が聞こえて
きています。
ただし、FRBもECBも、金融政策の
舵取りを非常に慎重に行っており、ソフト
ランディングになる可能性が高いと予想
しています。
日本以外の欧米の金利水準は、すでに
かなり高くなっており、インフレの沈静化
に伴うリセッションは、当然の帰結です。
ですから、景気後退が始まっても、ソフト
ランディングに成功すれば、株価の下落は
起こりにくいということが過去の事実から
明らかになっています。
そして、今年はアメリカで大統領選挙が
ありますので、少なくとも9月までは
株価の大きな下落は起こりにくいと考えて
います。
(2008年の大統領選の時は、9月15日に
リーマンショックが勃発したため、
大統領選を前にして、株価が急落しま
した。)
さて、前々回と前回の米・大統領選挙
の時の様子を振り返ってみます。
前々回、2016年はトランプ氏が当選
した時です。当選直後に日本市場では
日経平均株価が急落しましたが、明けて
NY市場では株安は起こらず、翌営業日
の日経平均株価は急騰しました。
その後、日経平均株価は右肩上がりです。
前回、2020年はバイデン氏が当選した
時です。この頃は、コロナ期であった
ことの方が株式市場に大きな影響を
及ぼしていました。
NYダウは選挙直前の週に急落し、
日経平均株価も米・大統領選挙の前
までは上値の重たい展開でしたが、
大統領選挙後は大きく上昇しています。
ただし、先にも述べたように、この
時期は、米・大統領選挙よりも、コロナ
の影響が大きかったので、あまり参考
にはならないかもしれません。
(4) 日本の経済情勢から考える
日本では、インフレ要因がオン・
パレードになっており、当面はインフレ
基調が持続すると考えています。
さりとて、日経平均株価は「イケイケ
どんどん」と上がっていくとは考えて
いません。
当面、秋までは、
「37,000円〜41,000円のボックス圏相場」
が続くと予想しています。
その最も強い根拠は、この「11年半の
株価推移」にあります。それについて
次の[2]で詳述します。
[2] 「当面はボックス圏相場であろう」
と予想する根拠
アベノミクス開始以降(2013年1月以降)
の日経平均株価のチャートをご覧下さい。
このような日経平均株価の推移は、
「インフレ政策が効果を発揮した場合の
典型的な株価推移」
です。
すなわち、
「大きな上昇の後に、下落と横ばいがあり、
また上昇して新高値になる。そして、下落
と横ばいがあり、また大きく上がるという
のを繰り返す」
という株価推移がずっと続いているのです。
そして、この「上昇の後の下落と横ばい」
の時期が「ボックス圏相場」なのです。
つまり、日経平均株価は、この11年半の
間、ずっと
「上昇とボックス圏相場」
を続けてきているのです。
そして、現在もその流れの中にあると
考えています。
その流れを説明する<データ>をお示し
します。
<データ> ( )は所要月数の概数。
・2013年1月〜5月−−上昇 (5)
・2013年5月〜11月−−ボックス圏(6)
・2013年11月〜12月−−上昇 (1)
・2014年1月〜11月−−ボックス圏(11)
・2014年12月〜翌年8月−−上昇 (8)
・2015年8月〜翌年2月−−下落 (6)
・2016年2月〜11月−−ボックス圏(9)
・2016年11月〜12月−−上昇 (1)
・2017年1月〜9月−−ボックス圏(9)
・2017年9月〜翌年1月−−上昇 (4)
・2018年1月〜3月−−下落 (2)
・2018年3月〜8月−−ボックス圏(5)
・2018年9月−−上昇 (1)
・2018年10月〜12月−−下落 (3)
・2019年1月〜10月−−ボックス圏(10)
・2019年10月〜翌年2月−−上昇 (4)
・2020年2月〜3月−−下落 (1)
・2020年3月〜6月−−上昇 (3)
・2020年6月〜10月−−ボックス圏(4)
・2020年11月〜翌年2月−−上昇 (4)
・2021年2月〜8月−−下落 (6)
・2021年8月〜9月−−上昇 (1)
・2021年9月〜翌年3月−−下落 (6)
・2022年3月〜翌年5月−−ボックス圏(14)
・2023年5月〜6月−−上昇 (1)
・2023年6月〜12月−−ボックス圏(6)
・2024年1月〜3月−−上昇 (3)
・2024年3月〜??−−ボックス圏
<データの解釈>
ここで注目すべきは、ボックス圏の
「長さ」です。
上の<データ>から、ボックス圏の
「長さ」の概数を列挙すると、
6・11・9・9・5・10・4・14・6
です。
最短は4ヶ月で、最長は14ヶ月。
単純平均は「8.2ヶ月」です。
統計的にみて、両端の事例を除外して
考えますと、「5ヶ月〜11ヶ月」となり、
最頻値は「6ヶ月と9ヶ月」です。
ですから、ボックス圏の所要月数は、
どうやら「6ヶ月〜9ヶ月」といった
ところではないでしょうか。
そして、2024年の3月から起算して
「6ヶ月〜9ヶ月」ということは、やはり
「今年の9月〜12月まではボックス圏が続く」
といったことになるのではないかと考え
られます。
[3] Sell in May を検証
(1) 日経平均株価は、"Sell in May" では
なく、"Sell in June (6月)"
6月1日に「フーミー」と「まぐまぐ」
に掲載した「有料メルマガ」で、
「"Sell in May" は日本には当てはまるのか」
という論点を検証しました。
そこでは、
日経平均株価は、"Sell in May" ではなく、
"Sell in June (6月)" である。
と結論付けて、過去11年間のデータを提示
しました。
ここではまず、そのデータを再掲して、
さらに、上の[2]で述べた「ボックス圏
相場」とからめて、さらに予想の確度を
上げてみたいと思います。
<データ>
(一番左の表記は、
「○」−−5月が高値の事例。
「×」−−5月と6月以外が高値の事例。
「6」−−6月が高値の事例。)
○ 2013年−−「5月22日」から下落−−6月に底打ち、年末高
(この年は「5月22日」からバーナンキ・ショック。)
× 2014年−−10月に入ってから下落−−10月中に底打ち、年末高
6 2015年−−「6月25日」から下落−−7月に底打ちも、8月から下落
(この年は、8月からチャイナ・ショック。)
○ 2016年−−「5月31日」から下落−−6月に底打ち、年末高
6 2017年−−「6月20日」から下落−−9月に底打ち、年末高
6 2018年−−「6月12日」から下落−−7月に底打ち、10月高値
× 2019年−−−7月25日から下落−−−8月に底打ち、年末高
6 2020年−−「6月9日」から下落−−7月末日に底打ち、年末高
6 2021年−−「6月15日」から下落−−8月に底打ち、年末高
6 2022年−−「6月9日」から下落−−7月1日に底打ち、8月高値
6 2023年−−「6月16日」から下落−−10月中に底打ち、年末高
<データの解釈>
上の<データ>をご覧になるとおわかり
のように、日本では(日経平均株価は)、
"Sell in May"(=5月が高値)になって
いるのは、最近の11年間の中では「2回だけ」
です。
しかも、その2回のうちの1回(2013年)
は、「5月22日」からバーナンキ・ショック
があったからです。もしもバーナンキ・
ショックがなかったら「6月高値」になって
いたかもしれません。
そして、もう1回(2016年)も高値が付いた
のは「5月31日」ということで、6月に入る
1日前です。
以上のようなことから、「日本では
(日経平均株価は)、"Sell in May"
ではなく、"Sell in June" である」
と結論づけました。
(2) 年内の高値は、いつ付いたのか?
以上のようなわけで、「日本では
"Sell in May" ではなくて、"Sell in June"
である」ということがわかりました。この
検証によって、
「日経平均株価は、5月よりも6月の方が
高いことがほとんどである」
ということは明らかになったわけですが、
「6月に年内の最高値が付く」というわけ
では「ない」のもまたたしかです。
特に今年の場合は、3月に「41,087円」
という史上最高値が付いていますので、
6月中にこれを超えるという感触は持て
ません。
そこで、ここでは、
「年内の高値は、いつ付いたのか?」
という視点で、この[3]にお示しした
<データ>を整理し直してみます。
(一番左の表記は、
「◎」−−6月以降に最高値が付いた事例。
「XX」−−6月以前が最高値の事例。
「6」−−6月が最高値の事例。)
◎ 2013年−−「5月22日」が最初の高値だが、
同年12月にそれを抜いた。
◎ 2014年−−6月以降も上昇。10月に入って
から下落したが「黒田バズーカ2」で
再上昇。
◎ 2015年−−「6月25日」から下落したが、
8月にも二番天井を付けた。
(8月からチャイナ・ショック。)
◎ 2016年−−「5月31日」から下落したが、
6月に底打ちして、年末高。
◎ 2017年−−「6月20日」から下落したが、
9月に底打ちして、年末高。
◎ 2018年−−「6月12日」から下落したが、
7月に底打ちして、10月に最高値。
◎ 2019年−−−7月25日から下落したが、
8月に底打ちして、年末高。
◎ 2020年−−「6月9日」から下落したが、
7月末日に底打ちして、年末高。
◎ 2021年−−「6月15日」から下落したが、
8月に底打ちして、9月に再度高値圏。
◎ 2022年−−「6月9日」から下落したが、
7月1日に底打ちして、8月に再度
高値圏。
◎ 2023年−−「6月16日」から下落したが、
9月と11月にも再度高値圏。
<結論>
このような視点でデータを見直してみますと、
すべてが「◎」、すなわち「6月以降に最高値
が付いた事例」であることがわかりました。
「6月以前が最高値の事例(XX)」と、「6月が
最高値の事例(6)」は、ひとつもありません。
ということは、論理的には、
「6月中に一旦は目先の高値を付けるが、
年内には、二番天井か最高値が付く」
ということになります。
過去11年間において、なぜこうなったのか
ということの根底には「資産インフレが続いた」
ということがあり、「インフレ政策が国策」
なので、そういう状況が続いてきているのです。
そして、現在も国策は「インフレ政策のまま」
ですので、
「6月に高値を付けた後、一定の調整を経て、
年末には株高」
という展開になる可能性が高いと考えています。
以上のようなわけで、日本株は 'Sell in June'
が多くの場合に当てはまりますが、一番ありがち
なのは、
「6月高値で、一旦は下がるが、8月〜年末
にも高値が付く」
ということであろうと考えられます。
<今回は以上です。>
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