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Q. |
10年以上先を見るなら、中国の株は買うべきでしょうか?
(本塾生(VIP会員) A様)
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A. |
答えはYESです。10年以上先を見るなら、中国の株は買うべきでしょう。 しかし、これから1〜2年以内に、中国株には一度大きな調整局面はあるでしょうし、為替も変動するでしょう(元が変動相場に移行する時が来て、その時には、大きく揺れるでしょう)。また、制度整備がまだまだですから、そういった不安定要素があるうちは様子を観た方がいいかもしれません。 ただし、中国は10年後には、アメリカを凌ぐ大国になっている可能性がありますし、戦後の日本を見ているかのような成長ぶりで、これはまだまだ続くでしょう。まだまだ続くと言える理由は、中国には膨大な人口があり、その全てが満たされるには、まだまだ当分かかるであろうからです。ですから、長期的な成長は間違いないと思います。 結論としては、大きな調整局面・為替変動(元の変動相場への移行)・諸制度の整備を待って、買いを検討するといったところでしょう。
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Q. |
「先進国の中産階級より下に未来はあるのでしょうか?」
(ボーダーレス化により中国、インドを始めとした国々の貨幣価値の差が、アメリカや日本の国民の仕事を奪っている事は明白です。こういう場合、国民は自己防衛にやっきになっているところでしょう。昨今、仕事はフリーターしかない、人や下請けのリストラで自殺者の増加も目立ちますが、「失われた10年」以降の時代の人は、気の毒に感じます。)
(本塾生(VIP会員) A様)
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A. |
まず、安い労働力のところに仕事が流れていくのは、善し悪しにかかわらず、「経済の宿命」だと思うのです。その昔(昭和30年代?)は、日本に仕事が流れてきましたし、今は中国や東南アジアに流れていきます。しかし、中国とて、いつしか賃金は上昇します。そうなれば、今度はカンボジアだ、南アフリカだと流れていくことでしょう。つまり、
経済力が低い国 = 賃金が安い国 ← 仕事流入 ↓ 経済力が上昇する = 賃金が高くなる → 仕事流出
ということが起こるのは、不可避の宿命なのでしょう。
この10年(いや、20年)で日本に起こったことは、経済の発展とボーダーレス化(ボーダーレス化は、主に、アメリカからの規制緩和の圧力とインターネットによる情報革命によって進展しました)によって、日本が「メガ・コンペティション(= 世界の『大競争時代』)」に参入を余儀なくされたということだと思っています。 「メガ・コンペティション」は、一国の経済をどう変えるかというと、経済の原理を、能力主義を基盤にしたものに変貌させ、「優勝劣敗」を鮮明にします。
さて、そんな中で、「中産階級より下に未来はあるのか?」を考えると、答えはYES ですが、ただし、「きちんと勉強し、自分を高め、適切な努力を続けること」という条件が付与されると思うのです。つまり、現在において中産階級であることは問題ではなく、近い将来に「知的上流階級」へと自らを変貌させていけるかどうかにかかっているのだろうと思います。 また、自己責任の下で、適切なリスクを取って「投資」をすることも、いわゆる「中産階級」からの脱却には必須要件となるでしょう。国や企業が、個人の将来を約束してくれる時代は終わっていますから、いつまでも「親方日の丸、寄らば大樹」の発想を持っていては、未来は先すぼまりになってしまうでしょう。 なお、この「投資」には、株式投資や不動産投資、金投資はもちろんのこと、「自分への投資(= 勉強と研鑽)」という広い概念の投資が含まれます。
以上、すごく理想論的かつ教科書的なことを申し上げたかもしれませんが、「失われた10年」以降の時代の人は、もっと「自分を磨くことの重要性」に気づき、「夢」や「希望」を描いていくことが肝要なのではないでしょうか。 (「夢」や「希望」を持てない時代といわれていますが、「自分はどうなりたいのか」を個々の人間がもっと真剣に考えれば、何かが見えてくるのではないかと常々思っております。)
〜Q&Aの欄を更新するのをサボっており、ほぼ2年ぶりになってしまいましたが、有意義なご質問をいただきましたので掲載しました。〜
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Q. |
さっそく「第2講」の内容についてのご質問をいただきました。
ナンピンと現物空売りはどのように使い分けたらいいですか? 個人的な好みみたいなもので決めていいものか、それとも、「こういう場面にはナンピン。そうでない時は現物空売り」というように、大体の使い分けが決まっているのですか?
それと、現物空売りを仕掛けた時の買戻しのタイミングはどこで見定めたらいいのですか? なにかいい目安になるものがあるようでしたら教えていただけるとありがたいですが。
(塾生 Yさん (美人な女性))
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A. |
まず「ナンピンと現物空売りはどのように使い分けたらいいのか?」ですが、これは、ズバリ、次のように使い分けます。
1.持っている株の株価が、「明らかに下がる!」と考えた時−− 一旦売って、現物空売り 2.持っている株の株価が「明らかに下がる!」とは確信できない時−− 持ち続けてナンピン
多くの場合は、2.になるでしょうし、あまり細かい値幅で、1.の方をやろうとすると、買い戻せずに、かえって失敗しますし、デイトレ君みたいになってしまうのもイマイチです。ですから、現物空売りは、あくまでも、「1〜2割は下がることが明確に予測される場合」に限られるでしょうね。
つまり、現物空売りをするのは、 1) 明確な悪材料が飛び出し、 2) 売り値から1割以上の下げを確信した場合で、 3) 早期に売却が可能な場合 です。
そして、「現物空売りを仕掛けた時の買戻しのタイミングはどこで見定めたらいいのか?」ですが、これは、何らかの目安があるのではなく、「明確な悪材料を織り込んで個別ケース分析をし直して、それで得られた新しい「買い値」(=弱気の下で求めた買い値)」で買い戻します。
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Q. |
経常利益は増益であるのに、減損処理によって一時的に最終損益が赤字に転落してしまう場合があると思います。 このような場合の株価予想はどのように考えていけばよいのでしょうか?
(T. K. さん)
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A. |
減損処理によって一時的に最終損益が赤字に転落してしまうケースでは、 多くの場合は、それが公表された時に、一時的に株価は安くなりますが、 すぐに回復してしまいますし、むしろ上がっていくケースもあるようです。 ですので、「あまり考慮に入れなくて良い」、または、ともすると、「アク抜け、好材料」のようになってしまうケースすらあるようです。 いずれにせよ、プラスかマイナスかの判断は難しいところですが、平均的に見れば「中立」といったところかもしれません。
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Q. |
株取引は、初心者です。「13週異動平均線の微分係数が−から+に転じるとき」というのを発見するには、どうしたらいいのでしょうか。
(FAQです。)
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A. |
13週移動平均線の微分係数が−からプラスに転じる時を検知するには、「エクセルでデータを計算して見つける」方法と「チャ−トを手で書いて発見する」方法があります。 そして、13週移動平均線の微分係数が−からプラスに転じる時も大切ですが、その前に、事前に個別ケース分析を行い、安値を予測しておきますので、その両方(13週移動平均線と事前の安値予測)を用いて、妥当な買い値がいくらなのかを判断します。
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Q. |
当該企業の過去10年度分の有価証券報告書総覧をインタ−ネットで閲覧しデ−タを準備するにはどこへアクセスしたらいいのでしょうか?
(準塾生 Yさん)
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A. |
過去10年度分とまではいかず、最近数年間分だけですが、各企業の有価証券報告書は、次のサイトで無料でみることができます。 http://info.edinet.go.jp/EdiHtml/main.htm
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Q. |
先生の教えの中には分散投資に対するものが無いように思えますが、分散投資については、どのようにお考えでしょうか?
(FAQです。)
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A. |
分散投資については、原則的に「必要ない」と考えています。 「良いものを安く買って」あれば、分散投資は必要ないと思うからです。天才少年投資家のマット・セト君に言わせれば、「分散投資は、負け犬の言い訳」だそうです。そこまで、過激には言わないまでも、自信をもって1つの銘柄に投資していれば、大丈夫なはずですし、本当に分散投資をする、というのであれば、日本株の中で、鉄鋼株だの不動産株だのと分散していても意味はないのです。外国株や国内外の不動産・為替・金などへの分散投資をして、初めて「分散投資」と言えるのではないでしょうか。
分散投資については、現在執筆中の「必勝ゼミ 第2講」で詳しく述べますが、1銘柄への初期投資額で、1,500万円くらいまではOKであると考えています。資金がそれ以上ならば、銘柄を分けた方が、気分的に楽だろうとは思います。(これは、まさに「気分的なもの」だけですが。) そして、何よりも、「私流の分散投資」は、「ナンピン資金を確保しておくこと」だと思っています。資金を分散させて、「下がった時にも買う」ことができれば、それが最大の「リスク分散」になると思うのです。
論題の割には、簡単ですが、以上です。
では、2006年3月22日に発刊の「必勝ゼミ 第2講」を、どうぞお楽しみに!
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Q. |
PBR0.5以下の株価を買値とするとありますが、今年の年初来安値を推奨銘柄一覧の銘柄名に当てはめてみると、0.5に近づくものは少ないです。今年のような相場で買い場はあるのでしょうか。
(FAQです。)
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A. |
PBRデフレータ(133頁〜137頁)を用いて、現在の日経平均の値に当てはめますと、底値PBRの予想値は0.67になります。 また、第5章にある「個別のケース分析」を行うことで、PBRが0.5以上のものでも買いチャンスとなっているものを発見することはできます。
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Q. |
Prof.サカキ式投資法では、銘柄選択基準の1つに 「BPS が\1,500以上」 というのがありますが、BPSを銘柄選択基準に用いる理由を教えてください。 BPSは、発行済株式数や株式分割によって簡単に変わってしまうので、銘柄選択の基準には必ずしも適さないとも考えられるのですが、いかがでしょうか?
(FAQです。)
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A. |
BPSに限らず、全ての指標は変化します。ですから、変わってしまうから不適当ということにはならないでしょう。 そして、BPSが大切である理由は、それが「1株当たりの企業価値」を表しているからです。 また、BPSは「株主の出資額」と企業の「内部留保」の合計額を表しています。つまり、企業が「1株の中に貯金している額」がいくらあるかを示しています。これが大きければ大きいほど、その企業は真面目で安全なのです。 さらには、「内部留保」は金額ベースで見るのではなく、「1株当たり」で見なければなりません。金額だけが、やたらに大きくても、株主が問題にすべきなのは、「1株当たりをいくらで買うか」だからです。
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Q. |
大変基本的な質問で恐縮ですが、財務会計情報には連結決算情報と 単独決算情報のいずれを用いるのがよろしいでしょうか?
(FAQです。)
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A. |
1998年以降は、会計情報については、すべて「連結」を見ます。 国際的には連結情報が基本となっており、日本もそれに合わせることに なったのです。 ただし、もちろん、単独しかないものは単独でOKですが。
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