兜町大学教授の教え 無料メルマガ No.268 (2024年12月18日)


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 兜町大学教授の教え 無料メルマガ No.268(2024年12月18日配信)
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「上に放れる三角保ち合い、続投中」


[1] 市況展望(執筆日時:12月17日 27時)


(1) 過去1ヵ月間を振り返ってみます

 前回(11月15日配信)のこのメルマガでは、 
日経平均のPERの値とPBRの値に
基づいて、PERの面からは「40,061円」
が充分にあり得るとしました。

 2,425円 × 16.52 = 40,061円

 そして、日経平均のPBRの面からは
「40,164円」が充分にあり得るとしました。

 27,138円 × 1.48 = 40,164円

 そして、11月15日配信の翌営業日の11月
18日から12月17日までの実際の株価推移を
見てみますと、

始値 −− 38,259円 (11月18日)
安値 −− 37,801円 (11月28日)
高値 −− 40,091円 (12月12日)
終値 −− 39,364円 (12月17日)

となっています。
 今回は、高値の予想がほぼ的中しました。

 では、今後はどうなるのか?ですが、
その前に、12月17日時点のテクニカル指標
を見ておきましょう。


[2] 12月17日時点のテクニカル指標

 日経平均株価のファンダメンタルズ指標
とテクニカル指標を簡潔に概観します。
(「ストキャスティクス」を「ストキャ」
と略して表記します。)

<12月17日のデータ>

日経平均株価 −− 39,364円
日経平均のEPSの値 −− 2,493円
日経平均のPERの値 −− 15.79倍
日経平均のBPSの値 −− 27,528円
日経平均のPBRの値 −−  1.43倍
日経平均のROEの値 −−  9.1%

日足のRSIの値 −−− 69.90
日足のストキャの値 −− 25.73
週足のRSIの値 −−− 62.26
週足のストキャの値 −− 68.26

 まず、この12月17日のデータを
1ヶ月前の11月15日のデータと比較
してみます。


<11月15日のデータ>

日経平均株価 −− 38,642円
(12月17日の方が「722円高い」)

日経平均のEPSの値 −− 2,425円
(12月17日の方が「68円高い」)

日経平均のPERの値 −− 15.89倍
(12月17日の方が「0.1倍低い」)

日経平均のBPSの値 −− 27,138円
(12月17日の方が「390円高い」)

日経平均のPBRの値 −−  1.42倍
(12月17日の方が「0.1倍高い」)

日経平均のROEの値 −−  8.9%
(12月17日の方が「0.2%高い」)

日足のRSIの値 −−− 53.57
(12月17日の方が「16.33高い」)

日足のストキャの値 −−  0.00
(12月17日の方が「25.73高い」)

週足のRSIの値 −−− 61.16
(12月17日の方が「1.10高い」)

週足のストキャの値 −− 32.36
(12月17日の方が「35.90高い」)


<コメント>

 この1ヶ月間の日経平均株価は、
安値(37,801円)と高値(40,091円)の
差が「2,290円(率にしておよそ5.9%)」
しかないので、小幅なレンジでグズ
グズした推移になっていましたが、
「指標的に見ると、妥当な水準か、
やや高値圏にある」ということが
わかります。

 また、このように1ヶ月前と比較
しますと、実はすでに、だいぶ高く
なっていることも浮き彫りになります。
 それに、先月の高値の予想値
(40,061円〜40,164円)を今月の12日に
達成していますので、高値警戒感を
もって市場と対峙する必要はあります。


[3] 三角保ち合い、続投中

 しかしながら、ここにきて、
日経平均株価が週足チャート上で
「上に放れる三角保ち合い」に
なっていることも見逃せません。

 ここで、日経平均株価の過去
1年間の週足チャートをご参照
下さい。
 一番左の2023年12月からずっと
上昇トレンドが続いて、2024年
3月下旬に「41,087円」という
当時の史上最高値を付けました。
 その後、調整を挟んで7月中旬に
「42,426円」の史上最高値が付き
ました。
 そして8月上旬に「植田ショック」
によって大暴落をしましたが、問題は
その後です。

 植田ショックによる長い下ヒゲを
無視していただくと、下値が明らかに
右肩上がりになっていることがわかり
ます。
 そのトレンドは継続しており、上を
「40,000円チョイ超え」とする
「三角保ち合い」が、より鮮明さを
増してきています。
 この「三角保ち合い」は、「上に
放れる三角保ち合い」です。

 先月のメルマガにも書きました
ように、「上に放れる三角保ち合い」
が常に必ず上に放れるわけではない
のですが、日本経済において現在
進行中の「インフレ」と考え合わせ
ますと、年内または年明けにでも、
二番天井である「42,400円前後」が
付いても不思議ではありません。

 そして、さらには、

今年の3月下旬の高値 −− 41,087円
今年の7月中旬の高値 −− 42,426円

の2つの高値を結ぶと、最高値は
「43,800円前後」まで伸びる可能性
すらも視野に入ってきます。

 ただし、これはあくまでも
「テクニカル分析だけ」
に基づく予想値です。この「43,800円
前後」をファンダメンタルズ的に分析
しますと、

PERの値は、「17.57倍」
PBRの値は、「1.59倍」

となりますので、やはり、かなり無理が
あります。
 この「43,800円前後」が現実化する
ためには、インフレによるEPSの値の
増加が必須です。
 現時点では「2,493円」であるEPS
の値が10%増しの「2,750円」になれば、
「43,800円」のPERの値は「15.93倍」
になりますので、充分に現実的です。

 すなわち、インフレ経済下では、企業
の利益の値も「インフレする」ので、
それに呼応して日経平均株価も高値を
更新していくことになる、というのは
極めて theoretically right な(理論
的に正しい)帰結なのです。

 ただし、仮にこの最高値(43,800円前後)
が、ある程度正しいとしましても、時期の
特定は非常に困難です。


[4] 年末の日経平均株価は?

 そこで、「時期」といえば、年末に
「あるある」なのは、「年末の日経平均
株価は、いくらくらい?」というやつです。

 年末までしか株式投資をしないわけでは
ないので、「年末の株価を予想すること
(当てようとすること)」には、たいした
意味はないのですが(微笑)、敢えてここでは
年末に日経平均株価がどのくらいの水準に
なるのかを推論してみましょう。

「掉尾の一振」という言葉があるように、
年末にかけて株価が上昇するという、
アノマリーはよくあることで、過去20年間
について調べてみましたら、

2005年・2006年・2009年・2012年・2013年・
2014年・2016年・2017年・2019年・2020年・
2023年

に「掉尾の一振」が起こっています。
 「20分の11」ですから、「55%」の
確率で起こっているわけです。

 このようなことを総合的に勘案していき
ますと、「42,000円台」や「43,800円前後」
といった最高値が付くのは、年内や年明け
早々ではない可能性は高いですが、年末に
一定の高値圏に到達する可能性は「55%」
くらいはありそうです。
「一定の高値圏」として、たとえば「41,000円」
を付ければ、それはいわゆる「三尊」の高値
ですので、そこまで上がれば、一旦は、やや
大きめの調整が入りそうです。

 そして、企業業績の増加がその後も続けば、
2025年の3月とか4月には、企業業績の増加を
織り込むかたちで、いよいよ「43,800円前後」
が示現する、といったシナリオは、かなり
現実味があります。
 これは、「インフレが継続する」という前提
に立脚していますが、それは、現下の日本の
状況を見る限りにおいては、「インフレが継続
しない理由」は見当たらないからです。


[4] 大事な心構え

 このように、テクニカル的には、近日中に
史上最高値が付いても不思議ではないわけ
ですが、その前には一旦、やや大きめの
調整が入る可能性も濃厚です。

 そして、2025年4月に向けて、史上最高値
にトライするとしましても、その後には、
また下落が待っていることでしょう。

 現に、トランプ政権が始まる2025年1月
20日からの「ハネムーンの100日」が終わる頃、
すなわち、2025年4月末からは「トランプ政策」
の反動(副作用)が出始めて、NYダウが急落
して、日経平均株価も、その煽りを受ける
といったことが予想されます。

 ですから、たとえ「これから日経平均株価
が高くなる」と考えたとしましても、大事な
心構えは、「じゃあ、買おう」ではなくて、
「じゃあ、売ろう」と考えるべきだ、という
ことです。
 ただし、もちろん、インフレ経済下で
空売りをするのは、愚の骨頂です。

 日経平均株価の水準は、もうすでにかなり
高くなっていますので、ここからは「買う
のではなく、保有株を高値で売る」のです。
「保有株を高値で売り抜ける絶好のチャンス
がやって来る」と考えるべきでしょう。
 なぜなら、来たるべく「調整安」の時に
「買う資金」を手にするためには「その
手前の高値圏で売っておくこと」が肝要
だからです。

「株は安い時に買って、高い時に売る。」

 この、腹が立つほど当たり前すぎることを
愚直に守ればいいのです。


<今回は以上です。>




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