兜町大学教授の教え 無料メルマガ No.271 (2025年2月13日)


「第3四半期決算は絶好調」

 明日14日から17日まで、東京で勉強会が
ありますので、今回は少し早めに配信します。


[1] 市況展望(執筆日時:2月13日 10時半)

(1) 過去1ヶ月を振り返りますと

 過去1ヶ月の中では、1月17日に
「38,055円」が付いたのが安値で、その
1週間後の1月24日に「40,279円」の
高値が付いています。そしてその後は
2月4日に「38,401円」の安値が付いて
いますが、それからは目立った下落が
ないまま、2月13日に至っています。
 昨年8月の「植田ショック」以降の
半年間は、日経平均株価が4万円の
少し手前、または4万円に乗ると、
下に跳ね返されるということが何度も
繰り返されてきています。

<1> 9月27日、39,829円。

<2> 10月15日、40,257円。
  (4万円を超えていたのは1日だけ)

<3> 11月7日、39,884円。

<4> 12月12日、40,091円。
  (4万円を超えていたのは1日だけ)

<5> 12月27日、40,398円。
  (4万円を超えていたのは4日間だけ)

<6> 1月24日、40,279円。
  (4万円を超えていたのは3日間だけ)

 以上のように、日経平均株価が4万円
前後まで到達しては下に跳ね返されると
いうことが、この6ヶ月間で6回もあった
のです。
(「月イチ行事」だったわけですね。)

 そんな中でも、かねてから指摘して
きている「上に放れる三角保ち合い」
の状況は崩れていません。むしろ、
一日の中での値幅を縮めてきています
ので、
「上に放れるとすれば、いよいよだな」
という感触があります。

 そして、私が最も注目しているのは
「企業業績の高さ」です。すなわち、
日経平均のEPSの値が史上最高値を
更新しているのです。
 これは、日経平均株価に対して、
「明確な先高期待」をもってもよい
状況になっているということを意味
します。

 そこで次に、現時点における各種
の指標を見ていきましょう。


(2) 2月12日時点の各種の指標

 日経平均株価のファンダメンタルズ
指標とテクニカル指標を簡潔に概観
します。
(「ストキャスティクス」を「ストキャ」
と略して表記します。)

<2月12日のデータ>

日経平均株価 −−−−−− 38,963円
日経平均のEPSの値 −−  2,563円
日経平均のPERの値 −−  15.20倍
日経平均のBPSの値 −− 27,831円
日経平均のPBRの値 −−− 1.40倍
日経平均のROEの値 −−− 9.2%

日足のRSIの値 −−− 41.17
日足のストキャの値 −− 61.22
週足のRSIの値 −−− 47.19
週足のストキャの値 −− 40.83


<コメント>

 この2月12日のデータからは次の
ようなことが考えられます。

(1) 日経平均のEPSの値

 日経平均のEPSの値は「2,563円」
で、上でも述べましたが、これは史上
最高値です。
 2月12日の時点で、9割以上の企業
の第3四半期決算が出揃っていますので、
企業業績は全体として、極めて好調で
あるといえます。
 株価を決定する要素の一丁目一番地は
「企業業績」です。ですから、ここは
素直に「株高を期待してよい」と考え
られます。

 世界の経済界では、「トランプ関税」
が懸念材料とされていますので、株価
が素直に上に上がらないのであろうと
考えられますが、「企業業績の水準」
というのは、早晩、株価に反映されます。

 また、このように企業業績が高水準
なのは、「企業活動が好調だから」と
いうよりは、その主な理由は、日本経済
が「インフレだから」だと考えています。
「インフレ」というのは、「物価が
上がること」だと考えられています。
それはもちろん正しいのですが、「物価」
というのは、企業側からみれば「売上高」
です。
 ですから、

インフレ = 物価上昇 = 売上高増加

です。
 そして、「売上高」をさらに分解
すれば、

売上高 − 全ての原価 = 利益(=企業業績)

です。
 そしてインフレというのは、これら
の3要素、すなわち、「売上高」と
「全ての原価」と「利益」を一緒に押し
上げます。
 ですから、インフレになると、利益
の額(=企業業績)も上昇するのです。
 このようなわけで、現在起こっている
企業業績の好調さは、「企業が頑張って
いるから」というよりは、「インフレ
だから」なのです。


(2) 日経平均のPERの値

 日経平均のPERの値は「15.20倍」
ですから、実はかなり低い水準です。
 2024年8月のブラックマンデーから
落ち着きを取り戻した10月1日以降は、
日経平均のPERの値は「15.28倍〜
16.25倍」っで推移していますので、
「15.20倍」というのは、その下限を
切った低い水準であり、「植田ショック」
の二番底を形成していた昨年9月中旬
以来の低い水準です。

 このように、日経平均のPERの値
が低い水準になっている時は、通常、
株式市場では、

「次の四半期決算で、企業業績が悪化
するのを先取りして、PERの値が
下がっているのだ。
なので、次の四半期決算で、低めの
企業業績が出揃うと、PERの値は
今よりは高くなるであろう。」

と考えるのですが、現在の場合は、
「最新の四半期決算で企業業績が
出揃っている」ので、むしろ、
「企業の好決算をPERの値がまだ
織り込んでいない」と考えるのが
妥当でしょう。

 現在の場合は、好調な企業業績を
先取りしようにも、先取りしにくい
状況、すなわち「トランプ関税不安」
があるために、こういった「遅行」
が起こっているのであろうと思われ
ます。

 ですから、もちろん「トランプ関税」
の悪影響が本決算以降に現実化してきて、
企業業績が悪化してしまうというリスク
はありますが、「トランプ関税」に
ついては、市場では「既知の事実」です
ので、すでにかなりの程度まで織り
込まれているはずであり、ただ、市場が
臆病になっているだけではないか、という
感触を私は持っています。

 それに、「トランプノミクス」は
関税のことも含めて、明かな「インフレ
誘発政策」ですから、それが具現化
してくると、株価にはむしろプラスに
作用します。

 通常であれば、「イケイケどんどん」
といった強気の予想は控えるのですが、
現在の「好業績なのに株安」といった
状況には、やや強めの違和感があります
ので、敢えて日経平均株価の先高を予測
しているのです。


(3) 日経平均のBPS・PBR・
  ROEの値

 先月のメルマガでは、

「昨今、企業による自社株買いが
増えていますので、BPSの値が
減少傾向にあります。2024年10月
15日には『28,713円』という高値を
付けたBPSの値は、『27,406円』
まで減少しています。」

と述べました。
 しかし、今月に入ってBPSの値
は増加傾向になり、12日の時点で
「28,831円」になっています。
 このように、BPSの値が増加して
いるにもかかわらず、EPSの値が
最高値であるため、ROEの値は
「9.2%」に達しており、これも史上
最高値です。
 先月とは異なり、現時点ではBPS
の値が減ったからではなく、純粋に
EPSの値が大きくなったことに
よってROEの値が高くなっている
ので、これも素直に好感できる要素
です。


(4) RSIとストキャの値

 RSIとストキャの値は、日足の
ストキャの値(61.22)を除いて、
「40台」なので、やや低めです。
 日足のストキャの値は「先行性」が
ありますので、少し高くなっています
が、これらのオシレータの値も「先高」
を示しています。


(5) 以上を総合して

 総合的には、日経平均株価は近日中に
上に放れる公算が高そうです。
 これは楽観的な期待によるものでは
なく、ファンダメンタルズとテクニカル
を総合した判断です。


[2] 外資による日本買いが進んでいます

 年明けから、世間を騒がせている
有名芸能人と大手メディアの不祥事
の背後で、とんでもないことが起きて
います。
 私の観るに、日本の大手メディアが
巨大資本家に乗っ取られています。
なぜ、こう言いきるのかといいますと、
株価形成が異常であり、明らかに
「乗っ取り」の状態になっているから
です。

 年明けから、世間を騒がせていた
のは、その企業の株を安く買いたい
巨大資本家が、その企業の「株価を
下げさせるため」だったのであろう
と推察しています。
 さんざん騒いでも、なかなか株価が
思うように下がらないので、業を
煮やして、買い上がったのだろうと
思いますが、こういった株の高値を
つかむのは、ウルトラ御法度です。

 そして、この事例が一大事なのは、
「大手メディア」を乗っ取られるから
です。大手メディアは、「世論形成の
チカラ」を持っていますので、これを
乗っ取られるのは、国家的にも由々しき
問題なのです。
 願わくは、乗っ取りを仕掛けている
のが日本人であれば、と思います。

 この事例だけではなく、多くの
優良企業や基幹産業の企業の株が
外資に買われようとしています。
ホンダとの統合がご破算になった
日産自動車も、台湾の企業を始め、
多くの外資に狙われていること
でしょう。
 日産自動車は現実に、一時期、
仏ルノーの傘下に入っており、
悪人面の外国人社長が乗り込んで
きました。(結局、逃げましたが。)

 だいたいにおいて、日本に乗り
込んできて、要職に就いている
のに日本語を話さない人には、
警戒した方がいいです。このことは
覚えておいて損はないでしょう。

 ナショナリズムを完全にかなぐり
捨てて、「グローバルに生きる」と
決めてしまえば、日本が生んだ優良
企業が外資に買われても、大した問題
ではないのかもしれませんが、「日本
大好き」の私には、どうも釈然としない
ものが残ります。

 なお、「日本企業が外資に買われる」
ということを議論する時に、必ず出て
くる言説が「円安だからね〜」という
やつですが、これも掘り下げが甘すぎ
ます。

 たしかに、1ドル=110円が、たとえば
160円まで円安が進行すれば、ドル建ての
外国人の購買力は、約1.5倍になります。
ですから、日本企業が外資に買われやすく
なる要因のひとつに「円安」があるという
のは間違いではありません。
 しかし今、起こっていることは円安
だけではないのです。

 外国人の時給(または年収)は、コロナ
前から比べると、約2倍に上がっている
のです。もちろん海外では、物価も約2倍
に上がっているはずです。
 そうすると、外国人の購買力は、円建て
では、「3倍」になっているのです。
 彼らの時給(または年収)が、コロナ前
と比べて「約2倍 × (為替が)約1.5倍」
=「3倍」なのです。

 日本企業の株価は、外国人から見ると、
「一律 66% OFF!!」の大バーゲンセール
中なのです。
 日本におけるオーバーツーリズムも、
東京・京都の宿泊費の異常な高騰も、
外資による日本の優良企業の乗っ取りも
すべてこれで説明できます。

 日本企業と日本人は、どう考えていく
のでしょうか。


<今回は以上です。>




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