兜町大学教授の教え 無料メルマガ No.272 (2025年3月13日)


「今のトランプ大統領は、マッチポンプ」


 明日14日から16日まで、東京で勉強会が
ありますので、今回も少し早めに配信します。

 今回も、いつものように市況を展望しますが、
その前に、講義と講演会に関する告知をさせて
下さい。


[0] 講義と講演会の告知です

(0-1) 早稲田大学での講演会の告知です

 来る4月5日(土)に、早稲田大学の高田
馬場キャンパスのエクステンションセンター
におきまして、講義に登壇いたします。

 開催時刻は、13時10分から16時25分です。
 途中に15分の休憩を挟んで、90分の講義
を2コマ行います。

 早稲田大学では、私の講義を初めて受講
される方もご参加なさいますので、基礎的
な内容から始めて、多少、応用的なことに
ついてもお話しします。
 この機に、基礎的なことを学び直したい
という方にオススメです。
 また、「今が旬」の題材も取り入れながら、
新たな知見も交えてお話をしようと考えて
おります。
 
 早稲田大学エクステンションセンターに
おきましては、過去に何度か登壇しており
ますので、その時の講義内容と重複する
部分もございますが、「重複する」という
ことは、それはすなわち「大事な部分」だ
ということでもございますので、復習を
兼ねてお付き合いいただければと思います。
 私の講義は、タイトルや「シラバス(=
講義内容)が同じでも、その都度、新しい
情報を加えながら、少しずつですが進化して
おりますので、新しい発見をしていただける
ものと確信しています。

 そして、最新の市況展望についても解説
いたしますし、日本株の先行きについても、
株式投資歴38年のベテランの視座からの
解説をする予定です。

 また、還暦前後までに「お金の自由」を
手に入れるための考え方について、私の
現時点までの経験を交えてお話しすること
で、皆様のご参考になればと思っております。
 もちろん、老後資金の形成とその運用
という観点から、堅実で安全な株式投資の
具体的な手法についてもお話いたします。

 お申し込み、その他の詳しいことは、
こちら↓のサイトをご参照下さい。

https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/64413/

 お申込の一般受付は「3月4日から」
開始しています。

 早稲田大学エクステンションセンター
では、毎回、一番大きい教室がほぼ満席
になっていますので、お早めにお申し
込み下さい。

 なお、お問い合わせは、早稲田大学の
エクステンションセンター様に直接お願い
いたします。


(0-2) 「講演会」の告知です

 来る4月19日(土)と20日(日)に、渋谷
において「Prof. SAKAKI塾 20周年記念
講演会」を開催いたします。

 開催時刻は両日共に、13時30分から
15時45分です。途中に15分の休憩を
はさみまして、中身は計2時間です。
 土曜日と日曜日は、同じ内容を予定
していますので、土曜日か日曜日の
いずれか1日にご参加下さい。

 詳細は、当サイトの「講習会受付」
のページ↓をご参照下さい。

http://www.prof-sakaki.com/zemi/lecture/lecture_25041920.html

 この「Prof. SAKAKI塾 20周年記念講演会」
では、4月5日(土)の早稲田大学での2コマ
だけではお話しきれなかった話題もお話し
します。
 また、今回は、Prof. SAKAKI塾の20周年
記念ということがメインですので、特別な
講演内容を用意しています。
 20周年ということですので、この20年間
を振り返って、

・日本の株式市場と日本経済がどのように
 変遷してきたか
・ネットビジネスの起業秘話

といった、これまでの講演会ではお話し
してこなかった論点についても、今回
限りの内容を用意しまして、20年間の
思いの丈をぶっちゃけトークでお話し
したいと考えております。

 受講料に関しましても、20周年記念
ということで「通常価格とは異なる
特別割引価格」をご用意しました。

 詳細は、こちら↓に掲載いたしました。

http://www.prof-sakaki.com/zemi/lecture/lecture_25041920.html

 このメールでも、場所と日程と料金等の
要点部分をお知らせいたします。


<以下は、開催告知の要点です>

場所:東京・渋谷「TKPガーデンシティ渋谷」
   1階 ホールB

日程:4月19日(土)13時30分〜15時45分
   4月20日(土)13時30分〜15時45分
   のいずれかにご参加下さい。
  (両日とも15分程度の休憩1回を含む。)

予定内容:
1.2005年〜2025年の市況を概観
2.ネットビジネスの起業秘話
3.株式投資で負けない秘訣
4.安定高配当銘柄への投資について

受講料:今回限りの特別料金です。

        通常料金 → 特別料金
基本料金 ----- 25,000円 → 20,000円
準塾生割引 --- 20,000円 → 15,000円
本塾生割引 --- 15,000円 → 10,000円
VIP塾生割引 ---10,000円 →  無料

<開催告知の要点は以上です。>


 1日60名様程度の人数限定で、先着順
です。
 1ヶ月以上も先のことですが、先着順
ですので、お早めにお申し込み下さい。

 お申し込みは、メールにて!

 メールのタイトルを
「20周年記念講演会 受講希望」
としていただいて、

・お名前(ふりがなも付記して下さい)
・ご希望の日程(19日か20日か)
・ご年齢
・ご住所
・Prof. SAKAKI塾の塾生様か否か

を明記の上、sakaki@prof-sakaki.comまで
どうぞご一報下さい。折り返し、受付確認
のメールを差し上げます。

 この件につきましては、4月15日前後に
配信予定のメルマガでも再度、リマインダー
としてご案内をさせていただく予定です。


[1] 市況展望(執筆日時:3月13日 2時)

(1) 過去1ヶ月を振り返りますと

 過去1ヶ月の日経平均株価は、2月13日
に「39,581円」が付いたのが高値で、その後
3月11日までは、ほぼ一辺倒に下落して
きました。
 下落の主な原因は、トランプ関税を中心
とした「先行き不透明感」や「米国の景気
後退懸念」、そして「円高基調を嫌気する
動き」といったところです。

 かねてから様子を見て参りました、日経
平均株価のチャート上における、「上に
抜ける三角保ち合い」は、2月28日と3月
4日(安値圏は36,800円台前半)までは、
なんとか下値抵抗線を維持していました。
 しかし、3月7日には上昇基調を維持
できずに下落して、遂に3月11日には一時、
36.000円を割り込んで、「三角保ち合い」
の下値抵抗線を割ってしまいました。

 テクニカル的には、上に抜ける三角
保ち合いがこのように下値を割ることは
珍しいことなのですが、株式市場に不安
心理が蔓延しているような時には、
「テクニカル要因は非力だ」ということ
のようです。
 テクニカル要因に偏りすぎた判断を
反省しなければならないと思いました。

 では次に、現時点における各種の
指標を見ていきましょう。


(2) 3月12日時点の各種の指標

 日経平均株価のファンダメンタルズ
指標とテクニカル指標を簡潔に概観
します。
(「ストキャスティクス」を「ストキャ」
と略して表記します。)

<3月12日のデータ>

日経平均株価 −−−−−− 36,819円
日経平均のEPSの値 −−  2,481円
日経平均のPERの値 −−  14.84倍
日経平均のBPSの値 −− 27,073円
日経平均のPBRの値 −−− 1.36倍
日経平均のROEの値 −−− 9.2%

日足のRSIの値 −−− 27.05
日足のストキャの値 −− 44.08
週足のRSIの値 −−− 38.50
週足のストキャの値 −− 23.15

ドル建て日経平均株価 −− 248.67ドル


<コメント>

 この3月12日のデータからは次の
ようなことが考えられます。

<1> 日経平均のEPSの値とPERの値

 日経平均のEPSの値は「2,481円」で、
これはかなり好調な値です。
 世界の経済界では、「トランプ関税」が
懸念材料とされており、アメリカの景気
後退も意識され始めているため、企業業績
が良くても、株価が素直に反応しないので
あろうと考えられます。
 そして、近い将来において、EPSの値
が下がると見込む市場参加者が多いと、
PERの値は、それに先んじて低い値に
なることがあります。

 それにしましても、「14.84倍」という
PERの値はかなり低く、3月11日に付いた
「35.987円」という日経平均株価は、当面
の安値になりそうです。


<2> 日経平均のBPS・PBR・
  ROEの値

 企業による自社株買いの進展もあって、
BPSの値は、若干の減少傾向にあります。
 このように、BPSの値が減少して
いる中で、EPSの値が最高値圏である
ため、ROEの値は「9.2%」という史上
最高の水準を維持しています。

 一方で、PBRの値は「1.36倍」で、
前日の3月11日には「1.35倍」になって
いました。これは昨年の10月以来の低い
水準です。
 PBRの値は、PERやROEの値と
いった利益指標とは異なり、あまり
大きなブレがないのが特徴なので、
そういったPBRの値が低いという
ことは、そのまま素直に、日経平均
株価の水準が低いということを意味
します。


<3> RSIとストキャの値

 RSIとストキャの値は、日足の
ストキャの値(44.08)を除いて、
かなり低いです。


<4> ドル建て日経平均株価

 ドル建て日経平均株価は、ドルを
基軸とする外国人投資家の目線から
見た日経平均株価です。
 3月12日の終値は「248.67ドル」
となっており、これは昨年8月の
「植田ショック」以降の下値抵抗線
の水準です。
 昨年8月の「植田ショック」以降、
ドル建て日経平均株価の値が「248
ドル前後」だったのは8回ありました。

・2024年9月9日 −− 246.23ドル
・2024年10月28日 −− 246.25ドル
・2024年11月21日 −− 244.98ドル
・2024年12月19日 −− 245.15ドル
・2025年1月14日 −− 243.18ドル
・2025年2月3日 −− 246.78ドル
・2025年2月28日 −− 244.90ドル
・2025年3月11日 −− 245.00ドル

 植田ショックの前に遡ると、2024年
の4月19日に「237.80ドル」というのが
ありますし、2024年の5月に1回、6月
にも1回、「250ドル前後」だったことが
ありますが、2024年の1月中旬以降は、
植田ショックの安値を除けば「237ドル」
を割ったことは一度もありません。
 そして、植田ショック以降は、
・2025年1月14日 −− 243.18ドル
が最安値です。

 なお、私はドル建て日経平均株価
については、以下のサイトを参照して
います。

https://kabutan.jp/stock/chart?code=0001

 ただ、気になるのは、ドル建て日経
平均株価のチャートでは、円建ての
普通のチャートとは真逆で、現在、
「下に抜ける三角保ち合い」が進行中
です。
 そのことは気になるところではあり
ますが、円建ての普通のチャートで、
「上に抜ける三角保ち合い」が上には
抜けなかったことを勘案しますと、
ドル建て日経平均株価のチャートで
「下に抜ける三角保ち合い」が進行中
であっても、下に抜けないこともあり
ます。
 上の(1)で、「テクニカル要因に偏り
すぎた判断を反省」したばかりです
ので、この「下に抜ける三角保ち合い」
についても、「参考程度」とするのが
いいのであろうと思います。


<5> 以上を総合して

 総合的には、日経平均株価は、現時点
でかなり低い水準になっているといえます。
 ただ、上に抜けるはずの三角保ち合い
が上に抜けなかったことで、当面のところ
は下値模索の展開になる公算が高そうです。

 また、ドル建て日経平均株価という
「外国人投資家の目線」から見ると、
むしろ「下に抜ける三角保ち合い」の
形状になりつつあるということには一定の
留意が必要でしょう。


[2] トランプ大統領のもくろみ

(1) デジャヴ

 トランプ大統領が何らかの問題発言を
すると、日米の株式市場が大きく下がり、
その後に、それを否定する発言が出ては
市場がそれを好感して大きく上がるという
のは、2017年から2021年の「トランプ 1.0」
の時との強い既視感(デジャヴ)があります。
「トランプ 1.0」の時は、パウエル議長が
火消し役でしたが、「トランプ 2.0」では
トランプ自身がマッチポンプとなって、
火消し役を演じています。

 このようなボラティリティの高い市場
環境の下では、こうした悪材料と好材料に
振り回されるのが、最も馬鹿馬鹿しいこと
だと思うのです。
 そして、それとは逆に、こういった波に
上手く乗ることができれば、チャンスも
潜んでいます。
 では、「波に乗る」には、どうしたら
いいかですが、(これはよくある話でも
あるのですが、)
「みんなが悲観している時に買って、
みんなが楽観している時に売る」
といった「逆張り」のマインドをしっかり
持つということが肝要です。
 そして、「潮流を見極める」のです。


(2) 「潮流」はインフレ

 そこで、「潮流」について考えてみます。
 トランプ政策の基軸は、「関税・移民排除
・減税」です。これらは全て、アメリカ国内
におけるインフレを誘発する要因です。
そして、アメリカにおけるインフレは、
瞬時に海を渡ります。

 また、日本でもインフレが進んでおり、
「103万円の壁の引き上げ(=減税)」も
「春闘の満額回答」も、インフレを助長
する要因なのです。
 減税や賃上げは国民の購買力を高めます
ので、物価を押し上げるインフレ要因なの
です。
(ですから、「物価上昇を上回る賃上げ」
というのは、蜃気楼です。)
 日本の長期金利も1.5%を超えてきて
いますが、これもインフレを後追い的に
明示しているものですし、世界標準から
みれば、まだまだ非常に低い水準にあり
ますから、インフレに対しては抑止力を
持つほどに高い水準ではありません。

 このように、日米共に「潮流はインフレ」
なのです。


(3) 11月中間選挙

 トランプ大統領が狙っているのは、
最終的には「ノーベル平和賞の受賞」
ですが、目先のところでは、来年11月
の「中間選挙での勝利」です。トランプ
大統領は2期目ですから、3期当選は
ありません。
 そうすると、中間選挙に勝たなければ、
任期の残りの2年間が完全にレーム
ダック化してしまうので、中間選挙には
何としても勝ちたいはずです。後半の
2年間で完全にレームダック化して
しまっては、やり甲斐も薄れてしまい
ますし、残りの2年間の政権の舵取り
も難しくなってしまうからです。

 そう考えますと、トランプ大統領は、
今年の秋から年末くらいまでは株価も
景気も「やや悪くてもいい」と考える
と想定されます。
「今年を捨てて、来年を取る」という
ことで、矢継ぎ早に大統領令や関税を
たくさん打ち出し、実績を誇示しつつ、
不都合なことは今年中に済ませてしまう。
 そして、景気や株価の情勢を多少悪く
させておいて、来年の年明け前後から
「イイかんじ」にしていくことで、
来年11月の大統領選挙を勝ちにもって
いこうという戦略を採っている可能性が
あります。
 もちろん、そうはいっても、景気や
株価が大きく底割れしてしまうのは
避けなければならないとも考えている
はずなので、あまり無茶なことをする
という心配は不要ではあろうと思います。


(4) 市場参加者が取るべき姿勢

 こういったことを考えてみますと、
現在の株安や円高も、さもありなん
といった感が浮かび上がってきます。

 ただ、やっかいなのは、市場参加者
は、何らかの悪材料や好材料が事前に
わかっていても、それが確定してから
反応する、ということです。
 有意義な情報を他人よりも少しでも
先に手に入れて、少しでも早く安く
株を買おうと躍起になってばかりいる
くせに、肝心なことに対しては、確定
的な発表があってからしか反応しない
のです。
 それでは、後手に回っているのです
が、それに気づく市場参加者は少数派
のようです。
 ですから、みなさんは、すぐ上の
(2)と(3)で述べたような潮流とトランプ
大統領のもくろみを意識しながら、他人
よりも「一歩先」を見通して、どっしりと
構えて、トランプ発言に付和雷同をしない
ようにして下さい。


<今回は以上です。>




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